2回にわたってヴィンテージリーバイスとの比較という観点から、ジェラード 301XXについて取り上げてきましたが、今回からは、ほぼ同時期に発売されたウエアハウス 1000XXについて取り上げていきます。このウエアハウス 1000XXは、デッドストック状態での経年変化を再現したというDead Stock Blueと称される新しい生地を使用したことをセールスポイントにしている。ここでは、ジェラード 301XXのときと同様にシルエットと生地を中心に見ていきたいと思います。ディテールについては、ホームページ(ウエアハウス 1000XX)で取り上げていますので、そちらをご覧いただければと思います。ちなみに、この記事の大部分は、2021年の1月中に書き上げていたもので、記事の公開時点では、既に3か月ほど穿いてセカンドウォッシュも済ませていますが、ここでは書き上げた当時の内容のまま公開して、セカンドウォッシュ後の感想は、次回に改めて記事にしたいと思います。
1 生地の比較
ウエアハウス 1000XXは、1946年モデルという大戦モデル直後の片面タブモデルをモチーフにしており、本来は、同時期のデッドストックのヴィンテージリーバイスを比較対象としたいところですが、残念ながらデッドストックは保有していないので、ジェラード 301XXのときと同じく、1953~4年頃の製造と思われるレザーパッチのリーバイス 504ZXXのデッドストックと、1955年頃の製造と思われるリーバイス 504ZXXのデッドストックを比較対象とします。ちなみに、8~9割ぐらいの色残りの大戦直後と思われるリーバイス 503BXXであれば保有しているので、次回の記事でこれと比較をしてみようかと思います。
ウエアハウス 1000XXとヴィンテージリーバイス2本を並べてみた写真です
先ほど比較対象としては適当ではないと述べたのですが、色味は、ウエアハウス 1000XXとレザーパッチのリーバイス 504ZXXは、似通っています。ヴィンテージの方がやや青みが強く、ウエアハウス 1000XXの方はグレーがかった色合いですが、あえて言えばという程度の違いです。ウエアハウス 1000XXは、若干色の濃さを強調しているかなという程度です。
スラブ感については、かなり強めに感じます。他方で、ネップはあまり見られません。
生地の質感については、ヴィンテージと比べると、相当異なり、織りが甘いなど、かなり疎になっているように感じます。こんなことをするのは私だけかもしれませんが、生地に口を当てて息を吐き出したとき、ヴィンテージデニムでは、呼気があまり生地を伝わらず、横にも漏れていくのですが、ウエアハウス 1000XXでは呼気が生地の間を抜けていくのがよく分かります。ヴィンテージリーバイスの質感ともかなり異なりますし、他のヴィンテージレプリカにもこうした質感のものは、あまり見かけないように思います。色落ちなどでのこだわりを出すための仕様かもしれませんが、「ヴィンテージ古着の忠実な復刻」を謳うブランドとしてこの質感は果たしてどうなのだろうかと疑問を持ちました。
2 シルエットの比較
次に、ウエアハウス 1000XXのシルエットをヴィンテージリーバイスと比較してみます。
他方で、股上の深さは、ヴィンテージリーバイスとはかなり異なってります。ジェラード301XXも同様だったのですが、ウエストベルト1本分、ウエアハウス1000XXは股上が深くなっています。
最後に、ジェラード301XXは、ヴィンテージリーバイスと比べてバックポケットの付く位置が異なっていましたが、ウエアハウス1000XXは、あまり変わらないようです。
3 まとめ
以上のように糊を落としていない未着用の状態でのウエアハウス1000XXについて見ていきました。一言で言えば、シルエットに関しては、ヴィンテージリーバイスとかなり近いものになっている一方で、生地の素材感については、ヴィンテージとはかなり違うものになっているなというのが、私の印象です。先に述べたように、3か月してセカンドウォッシュした後の様子について、次回の記事にまとめる予定です。
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